「裕次郎、佐世保バーガー行こうぜっ!」
「ああうん、いいね。」
「あとよ、知念何処行ったか知らねぇ?あいつも誘ってやろうと思ったのに居ねぇしよ…。もう帰ったのかなぁ?ケータイ持ってないから連絡もつかん。」
「あぁ…、そうだね………、ん?…あっ!あぁああああぁぁあぁっ!!」
「な、なんだよ!」
「大変!行かなきゃっ!」
「お、おい!ちょっと!何処行くんだよっ!」
「部室!」

―バンッ―

急いで部室へ向かって扉を開けると、丁度制服のシャツを脱いでいた寛と目が合った。
こんな時でもどうしたの?って笑いながら聞いてくれる寛に、じんわりと暖かい気持ちが広がる。
けれど全速力でここまで走ってきた俺にはその質問に答える事が出来なくて、
だからその代わりに笑顔を返すと、息を切らしながら寛のもとに歩み寄って、
一番下まではずされていた寛のシャツのボタンを下から順番に留めていった。

「ん、なんだ?」
「はぁ、…ちょと、まって、…苦しっ。」
「くくっ…そんなに急いで来てくれたんだ。」
「んっ。」

ありがとうって言いながら俺にキスしてくれる寛に、愛しさと、それから申し訳なさが同時に湧いて出てきた。

「う、…わ。」
「うおっ、いきなり止まるなっ!」
「あ?」

―ドカッ―

「どぅおぉっ!!」
「「…あ。」」
「ふざけんな!このデブッ!」
「お前ががいきなり立ち止まるからだろー?…ごめんって、ほら。」
「ちっ…っていうかよ、お前らこんなところで何してんだ?」
「…。」
「裕次郎…お前さぁ、いきなり“大変!行かなきゃ!”とか言って飛び出して行ったと思ったら…
こんなところでしけ込もうってか。ふっざけんな、ただの変態じゃねーかっ!」
「し、しけっ?い、いやいやっ!違うよ違うっ!そんなん全然考えてないよっ!」
「くくっ…。」
「ひ、寛も笑ってないでなんか言ってよ!」
「凛君…裕次郎がよぉ、いきなり部室のドアを勢い良く開けて入ってきたと思ったら…
はぁはぁ荒い息吐きながら無言で俺のシャツのボタンをいじりだしたんだよ…。」
「…ちょ、ちょっと待って!なんなのそれ!?勘弁してよ!」
「…くくっ…嘘は言ってない。」
「そうだけどさぁ、何でそんな…寛はわんの事嫌いなのかよぉ…。」
「ううん、好きだよ、すごく。」
「…う、でもさぁ…。」
「あー、あっあー、…俺達もここに居まーす。」
「…。」
「で、結局のところ何なんだ?部活の無い放課後の部室にこそこそとふたりで集まってすることって。」
「部活の無い放課後?」
「…あ、うん、そうなの…ごめん寛。今日部活中止になったって言うの忘れてたんだ。本当にごめんね。」
「…あ?裕次郎お前、さっき寛に部活が中止になった事を伝えに実験室に行ったんだろ?それでどうやって言い忘れんだよ?」
「…あ、まぁ、ちょっと。」
「あ、ちょっ、待てっ、聞きたくないっ!…嘘だろ?うわぁー、もう実験室行きたくねぇ…。」
「え?………わぁっ!違うよ!そんなんじゃないってばっ!」
「そんなんって?」
「お前も見ただろ、裕次郎が寛の服脱がせてんの。」
「ああ、見た。」
「だ、だから違うってば!俺は服をき・せ・てたの!」
「あと、キスしてんのも見た。」
「うぅ〜…、それは本当だけどっ。」
「ぷはっ…くくくっ…。」

〜♪〜

「…あ、永四郎が早くしろだってさ。」
「どこか行くのか?」
「おう、皆で佐世保バーガー。」
「知念はちゃんとシャツ着なおしてから来いよー?ボタンずれてる。」
「あ、本当だ…、ゆうじろぉ…。」
「うーごめん、すぐやり直すから。」
「…あ、なんか今、裕次郎に脱がされてる感じ。」
「ぬ、脱がしてないっ!」
「ははっ、…あとで脱がしに来る?」
「へ?」
「冗・談。」
「…行く。」
「え?」
「あとでホントに脱がしに行っちゃうからね。」
「…くくっ、了解。」


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