*裏要素あり
「あー、疲れた!」
「んー…。」
結婚式当日、俺達は披露宴会場から帰って来て真っ先にベッドへダイブした。
小規模な式ではあったけれど、それでも十分に緊張したし疲れもした。
まさに疲労困憊と言った感じだ。
「でも楽しかったな。」
「んー…。」
「やっぱ式は挙げて正解だった。」
「んー…。」
「寛、お前さっきからずっと“んー…。”しか言ってないけど大丈夫?」
「大丈夫…。」
「ホントかよ…なんか目が…すっげートロンとしてるぞ。」
「ん、眠い。」
―コンコンッ―
「凛ちゃーん、私そろそろ行くね。」
「あー、うん分かった。」
「あとね、このブーケそのままじゃ枯れちゃいそうなんだけど…なにか生けとくものないかな?花瓶とか。」
「花瓶?んー、あったかな。多分ないと思うけど…ちょっと待ってて。」
「うん。」
「………やっぱ無い!…あ、ひろしー、このビーカーみたいなの使っていい?」
「…ん。」
「いいってさ。ちょっと貸してみ?」
「うん。」
「…でもまさか葵がこれ受け取るとは思ってなかった。本当はねーねー辺りに渡ると良いと思ったんだけどな。」
「え…なんかごめん。目の前に飛んで来たから思わず取っちゃった…。」
「まあいいんだけどさ、どうせねーねーなんか結婚より仕事が大事な人なんだから。」
「んー、そっか。でも寛君が投げたブート二アの方は永四郎君に渡って良かったね。」
「そうだなー、永四郎もなかなか結婚しないから心配だったんだけど。もしかしたら次結婚するのあいつかもな。」
「…うん。」
「うし、こんな感じだろ。」
「わぁ、ありがとう!」
「どういたしまして。」
「じゃあ行ってくるね、明日の夕方には帰ってくる。」
「いってらっしゃい。」
―パタンッ―
「ひろしー、葵行っちゃった。」
「…。」
「寛?」
「…。」
「まさかっ………あぁーっ!やっぱ寝てるし…。」
やけに静かだと思えば…案の定ぐっすり寝てやがる。
それは確かに俺だって疲れてるけど…疲れてるけど!
だって今日は、今日は…新婚初夜なのに…
「初夜なのにーっ!!」
そのために葵だって気を使ってわざわざ友達の家なんかに行ってくれたって言うのに。
それに明日は俺があの薬を使う予定で居るからその後は当分そう言うことも出来ないって言ってたのは寛じゃないか。
もし今ここでこの機会を逃したとして、下手したら次は1カ月後までお預け、なんて事になるかもしれない。
でも…でも良く考えてみたら今無理やり寛を起こしてまでするような事じゃないかもしれない。
俺としてはもちろん、付き合いが長くたって新婚初夜ってだけで特別なものだと思っていたのだけれど…。
「くそ〜っ…仕方ない…今回は…。」
「…。」
「めっちゃ気持ちよさそうに寝てるし…しょうがないよな…はぁ…お疲れ様…おやすみなさい、寛。」
・
・
・
「っは!」
―ガバッー
「ま、まさか…俺、…寝てた?…2時……最悪。」
「…。」
「凛…。」
「…。」
「凛。」
「ん…、寛?どうした?今何時?」
「2時。」
「2時?…2時って夜の?」
「うん。」
「…なに?なんかあった?」
「うん、…凛。」
「んー?」
「すみませんでした。」
「何がだよ。」
「俺、寝てしまってた。」
「ああ…まあ疲れてたししょうが無いんじゃね?」
「…でも。」
「俺も俺で起こさなかったのが悪いんだしよ。」
「それは俺が…。」
「まあ気にすんな。」
「…あ、あの…今からでも。」
「い、今からぁ?…でも寛疲れてんだろ、無理すんなって。」
「凛だって今日は特別な日だって言ってただろ?」
「んー…、まあ寛が寝ちゃった時は結構ショックだったけど…。」
「うん。それに、次はいつになるか分からない。」
「確かにそうだけどさ。」
「…。」
「………じゃあ、する?」
「俺は、したい。」
「…だったら……お願いします。」
「うん。」
確かにまだ、夜は終わっちゃいない。
日付こそ変わってはいるけれど、新婚初夜と呼ぶにはまだ間に合う。
寛はベッドに寝転がる俺をそのままに、覆いかぶさるようにして口づけて来た。
なんだかいつもと同じ場所の、いつもと同じ行為なのに、今日が特別な日であると思うとそれだけでドキドキしてくる。
「んっ…ね、ちょっと待って。」
「ん?」
「あのさ、寛。」
「うん?」
「…今日だけでいいからさ、交換しない?」
「え?」
「今日は特別だし、さ。」
「…。」
「それに俺だって、男…だよ。」
「…。」
「だ、ダメ?」
「うっ…んー…、ダメでは…無い。」
「マジでー!?やった!」
「…ふーっ。」
「あ、ねぇ。」
「ん?」
「服、脱がせて欲しい?それとも自分で脱ぎたい?」
「自分で…。」
「えーっ!脱がせてみたかった。」
「…じゃあ、脱がせて。」
「あ、今絶対“だったら聞くなよ”とか思っただろ?」
「お、思ってない。」
「嘘つけ。」
「…少し、思った。」
「くくっ。」
それはそうだなんて思いつつ、俺は寛の服を脱がせにかかった。
自分の服も脱ぎ去ってから覆いかぶさるようにして跨ると、
上から見下ろしているというだけでなんだか不思議な感覚がした。
もちろん相手が寛では無いにしろ、それ以前は俺だって男なわけだから上でしていた。
だけど寛と居る期間が長すぎた所為か今ではそんな当たり前の事がそうでなく思えてくる。
とりあえず以前の様にできるだけ自然に、女の子に接するように寛の身体に触れてみる。
そんな風にしても、寛が菫とオーバーラップしなかったことにひどく安堵した。
「うっ…ん、…っ。」
「ねえ、好きだよ。」
「うん…っ、ふっ……んっ。」
「ふっ…、っ……。」
「んっ、ん……ふっ、……うぁっ。」
寛の瞼、頬、口、首筋、胸。
色んな所にキスをして、それから右手を下へ下へと滑らせる。
「気持ちいい?…ここ、もう硬くなって来てる。」
「うん…んっ…きもち、いいよ。」
「そっか、よかった。」
「ん…んぁっ、…はっ、はぁ。」
「ねぇ、もっといっぱいキスしよ。」
「うん…っ、…ふっ、…ふぁ…っ…んっ。」
寛は恥ずかしがっている所為かあまり声を出すってことをしないのは知ってる。
もちろんそれはそれで可愛らしくて良いのだけれど、でも、もっと俺を感じて欲しい。
できれば声を出さずには居られない位、乱れた姿が見てみたい。
「ねぇ、もっと声出して。寛の声、もっといっぱい聞きたい。」
「んっ…ふっ、……っ、…はぁっはぁあっ。」
「もっと強くしないと声出ない?」
「んっ…そういう訳じゃっ…ない、けどっ…はっん、んぁっ、んあぁっ。」
「うん、もっと。俺寛の声好きだから。」
「はあっ、あっ…っちょ、…うぁあっ、そんなっ、つよく…っんん。」
「だって寛恥ずかしがって声出してくんねーじゃん。」
「だっ、だからって…くっんんっ…。」
「逆に声我慢すんのとか無しな。」
「んん〜っ、…ん…はっ…っ………んっ。」
「もー、だったらこっちだって無理やり声出させてやる。」
「っ…、なんっで…んっ…!…んうあぁっ、あぁっ…っちょ、はあっ。」
「寛が意地張るからだろ?」
「…だって、それはっ…あ、…っま、まて!…はあぁっ、んっ、嫌だっ…凛!
…んぁああっ、り、んっ!…うっ、うあぁあんっ…もっ、はぁっ、は、離せっ…んぅっ…もう出るから!」
「そのまま出して良いよ、寛。」
「いっ、や、…凛っ!…りん〜っ!っはぁ、あぁあっ、あっ、んんっ、はあぁぁあぁっ!…はっぁ、…はっ、はっ、はっ……、っ〜…。」
「あいっ、ちょ、泣くなよぉ…ごめんって。」
「…っ、…っ、……。」
「ねえ、そんなに嫌だった?」
「ち、がうっ…、っ…。」
寛は腕で顔を隠しながら、唇をかみしめながら首を振る。
だけどそんな風にして言われても全く信憑性が無い。
「じゃあなんで。」
「…変な声、出た。」
「何が?そんなの全然恥ずかしいことじゃなくね?」
「でもっ…自分が自分じゃないみたいで…怖っ…。」
「…そっか、そこまで考えてなかった。」
「…。」
「ごめん。」
「…っん、…もう、大丈夫。」
「ねぇ、やっぱりいつもどうりにする?俺が下で。」
「…俺は今のですごく疲れた…。」
「…じゃあこのまま寝る?」
「いや、凛が上なら大丈夫。」
「わかった。ありがと。」
「うん。」
「ね、じゃあ足開いて。」
「う、ん。」
「ありがと。…出来るだけ力抜いててね。」
「ん。」
さっそく俺はサイドボードの一番下の段からローションを取り出して手に垂らす。
それから覆いかぶさるようにしてキスをしながら下の方へ手を忍ばせた。
「ち、ちょっと待って凛っ!」
その時寛が俺の胸を押し返しながら言った。
「………やっぱ、無理?」
「いや、…ちょっと心の準備が。」
「そっか、待ってるから出来るだけリラックスして。」
「ごめん。」
「ん、大丈夫だよ。」
それから寛は胸に手を置いて目を瞑っていたので、
俺は出来るだけ寛に身体の力を抜いて貰えるように髪を撫で続けた。
しばらくそうしていると寛が目を開けて、ゆっくりと俺の首に腕をまわしながらキスしてくれたから、
俺はそれを寛の“もういいよ”って合図だと受け取ってさっきの行為の続きを始めた。
「寛、触るからね。」
「うん、…っ、……。」
「…大丈夫?」
「ん…少し変な感覚がする。」
「うん、ちょっとだけ我慢して。」
「…っ、……ふーっ…。」
「指、一本入ったよ。」
「うん、想像してたよりは大丈夫みたいだ。」
「ホント?指増やしても大丈夫かな。」
「うん。」
「わかった。」
「……、うっ…く……はーっ、…。」
「大丈夫?痛くない?」
「ん。」
「ねえ、ここらへん気持ちよくない?」
「…んっ、…んぁ…、はっ…。」
「あ、やっぱり。…ういしょ、もうちょっと指増やしてみる。」
「…ふっ、…ん、んっ…ぁっ…はぁっ…。」
「良くなってきた?」
「ん、ん、うぁっ、…はあっ、あ…あぁっ。」
「…。」
「はぁ、はっ…んっ……あ、はっ。」
「大分すんなりいくように成って来たよ。」
「ん、…はぁ、あっ…んぁあっ、あっ、…んんっんっ。」
「ね、ごめん…もう挿れてい?」
「うん、いいよっ…はぁっ。」
「あ、ねえ…ゴムどこだっけ?」
「そこ…その下、箱っ…。」
「ああ、そっか…。」
俺は準備を整えてから、ゆっくりと寛の中へ身体を進める。
「んっ!…いっ…はーっ、はーっ、んんっ、んーっ。」
「はっ、きっつ。」
「…いぁっ、い…ふっ、…ん、ん…。」
俺が身体を奥へ進めるにつれて寛の声がくぐもって聞こえにくくなる。
その原因は寛が自分の手で口許を押さえつけているからで、
でも寛が声を我慢している理由はさっきのとは全然違う。
痛いのを、我慢してる。俺の為に。
横を向いている顔だって辛そうに歪められているからすぐに分かる。
「ね、痛いのは我慢しないで言って。そしたら俺、良くなるまで待つから。」
「…はーっ、…痛い。」
「うん、わかった。」
「…ふーっ…。」
「…寛、腕はここ。俺の首にまわしといて。それから、顔はこっち。横向いてちゃキスできないよ。」
「っ…。」
「寛、大好き。でーじ、でーじ、かなさんどー。」
「…ふっ…、っ…はっ。」
「…、………んっ……ふっ。」
「…んっ、…凛…もう動いても平気だ。」
「わかった。」
「…うっ、んっ…はぁ……はぁ…。」
「………はっ…よかった、全部入った。」
「うん。」
「動いても大丈夫?もうすこし待った方が良い?」
「動いていい。」
「うん、ごめんね。ホントは俺もあんまり余裕ないんだ。…でも痛かったらちゃんといってね。」
「うん。」
「行くよ。」
「…ん……んっ……ん…ん、…ん、…はー…、…。」
「…っ、……はっ、……はっ、…っ…すっげー気持ちい。」
「…んっ…ん…、はぁっ、はっ…。」
「…っ、…はっ、…ね、寛、ここら辺だったよね。」
「…んっ、…んっ、…はっ、はぁっ、あっぁ、あっ。」
「いい?…っ、…ここ、好き?」
「んっ、あぁっ、はっ、ふぅんっ、んんっ、んっ。」
「ふっ、はぁ、ふぅ、ふぁっ…やばい、止まんない。」
「ふぁ、んっ、ふあっ、ふぁあっ、あっ、あっ。」
「はっ…はっ…っ、ひろしぃ、もっとぎゅって抱きしめて。」
「んっ…んぁっ、あぁっ、あっ、あぁあっ…うぁっ。」
「ねえ、名前呼んで…お願い。」
「はぁっ…あっ、り、りんっ…んぁっ、りんっ。」
「すきっ、でーじ、すきっ。」
「りんっ、んぁあっはっ…りんっ…りんっ、んあぁああっ。」
「はっ、…ん、もう無理だっ…イキそ。」
「ん、んんんっ、はっ、はぁあっ、はぁっ…ああっ、んああぁあっ!」
「…っ、…くっ、…っ、はっ、…んっ…ん、…はぁあっ…はー、はー、はっ、はーっ。」
「はっ、はっ…はっ…はっ、…はーっ、はぁー…はぁー……。」
「でーじよかった…。」
「うん。」
「でも、もう上はいいや。」
「俺もだ…下の方が疲れる。」
「ごめん…でも寛可愛かった。」
「…はあ、そういうの言うなって。」
「だってマジでかわいかったし。」
「っ、…俺はもう寝る。」
「えー、寝ちゃうの?…じゃあおやすみのチュー。」
「嫌だっ。」
「えぇっ!待って、それはダメ!ちゃんとキスしてからじゃないと寝かせない。」
「ちょ、布団引っ張るな!や・め・ろ!…うわっ、ちょ、っんぅう!」
「はー、よし、おやすみなさーい。」
「…。」