『ああ、実は…』

* * *

―昨夜― 知念宅にて。

「なんか毎回このメンバーで飲むのも飽きてきたな。」
「だよな…凛君、なんか面白い事思いつけ。」
「はあ?なんで俺?」
「だって凛君が言い出したことだし。」
「うーん…。そうだ!寛ー、お前永四郎とはどうなった?」
「別に…。」
「別にって。お前がアクション起こさねーと何も始まらねーぞ。」
「でも。」
「でもじゃねーよー、どうせ明日日曜だしあいつも仕事休みだろ?誘え!」
「え?ここにか?」
「当たり前だろ、なにもホテルに誘えって言ってる訳じゃねーんだから出来るだろ?それくらい。」
「おうおう!いいな、それ。」
「…もう酒ほとんど無いぞ。」
「んー、じゃあ俺らが買い出し行ってくるからその間に誘っとけよ。」
「いいね、いいねえ…誘えなかったら酒無駄になるけど。」
「そんときは寛の奢りさぁ、くくくっ。」
「あいっ!なんで。」
「そのかわり永四郎誘えたら俺達が奢ってやる。」
「…。」
「じゃあ行ってくる。…おい、早く靴履けよ裕次郎。」
「待ってよ凛君…、そんな顔するなってひろ君、なんとかなる!」
「おし、じゃあなー。」
「ばいばーい。」

バタン。





「ひろ君大丈夫かなー?なんか…何とも言えない顔してたあんにー?」
「大丈夫だろ。それくらいでうじうじしてるようなのはイキガとは認めん!」
「くくっ。それもそうさぁねぇ。」
「だろ?」
「うん。」
「なあ、わん永四郎とちゃんと酒飲むの初めてかもしれん。」
「あ、わんも。あにひゃーいっつも青汁ばっか飲んでるしよお。」
やさやさ。あんまりわったーの集まりに来ないしなぁ。」
「あ!じゃーよぉ、強い酒買ってかねえ?永四郎酔わせてみようぜ。」
「お!いいねえ。やしがあにひゃーでーじ酒強そうあんに?ちょっとやそっとじゃ酔わなそうさぁ。」
「そうだな。ってゆーかよ、やーん家になんか良い酒ねーの?強いやつ。」
「あ!そうだなぁ。あの泡盛とかよさそう。でもこっからあんま近くねーどー、わんの家。」
「いいだろ別に。寛のやつにも時間をやろう。どうせあにひゃーのことだから電話かけるのにも時間かかるさぁ。」
「ぷはっ。そうやがやー?じゃあいこうか。」
「おお。」





ガチャッ

「ただいまあ。」
「ただいま、ひろ君。重、これ。ちょっと運んでくんない?」
「あ、大丈夫か?ほれ、貸せ。」
「あ、ありがとう。ひろ君。」
「で、どうだったんだ?寛。誘えたのか?」
「…。」
「なんだぁ、誘えなかったのかよぉ…せっかく俺の家まで行ったのに無駄足だったな。」
「…ぇた…。」
「あ?」
「誘えた。今から来るって。」
「おお!よかったな寛ー!」
「うん。」
「うわ、つーかよー、この部屋汚ったね…さっきまで飲んでた缶とか片付けようぜ。」
「おお、そうだな。永四郎の奴びっくりするくらい綺麗好きだし。」
「まあ別に、寛の部屋が汚いって言ってるわけじゃねーぞ?ただ、あの恐ろしいパッケージのDVDはいただけねーけど。」
「そうだねー、今日ひろ君家に集まって正解だ。俺達の家だったら汚くて嫌だって永四郎来なかったかもしれないね。」
「俺の部屋はそこまで汚くないし。」
「そうかー?」

…カンカンカン…

「お!足音聞こえる。永四郎来たんじゃねえ?」

ピーンポーン。

「ほら寛、さっさと開けてやれ。」
「ああ。」

ガチャッ

「あ、こんばんは。知念クン。」
「こんばんは。」
「おー、永四郎久しぶりー。」
「俺もいるよー!永君久しぶり。」
「あ、お久しぶりです。…なんですか甲斐クン、その永君って言うのは。」
「えー?良いじゃん、かわいいでしょ?」
「…まあいいですけど。」
「お!マジで?じゃあこれからそう呼ぶ。」
「…まぁ、そんなことはいいから上がれ。」
「あ、どうもお邪魔します…あとこれ、どうぞ。」
「ああ、ありがとう、あとで飲もう。」
「はい。」
「なー、永四郎。」
「なんですか?」
「お前明日なんか予定あんの?」
「特にありませんけど。」
「よし、じゃあ酔っても平気だろう?じゃんじゃん飲もう!!」
「…まあ、たまにはいいですね、それも。」
「おー、永四郎も話が分かる男になったなぁ。」
「ホントホント。昔は事あるごとにゴーヤー食わすよだったしなぁ。」
「…甲斐クン、ゴーヤー…コホン。そうでしたね。まあ、皆もう子供じゃないし。」
「おう、よし、飲もう飲もう!」
「「「「カンパーイ」」」」 
(何に?)
(永四郎のゴーヤー攻撃卒業に。)
(それ君達が卒業したんじゃないの?)
(まあいいじゃん。)





〜数時間経過〜

「えー、裕次郎…こいつら絶対酔っ払ってる。」
「おー、永四郎なんか目が完全にすわってるし。」
「てゆーかよー、この泡盛ほとんど俺達飲んでるのにどうしてあんなに酔えるんだ?」
「あ、あの永四郎が持ってきた泡盛。度数いくらだろう?」
「あー、……42!?っはー、よくもあんなにがぶがぶと。」
「ええ!それは酔うわな。」
「それにしてもよぉ、永四郎って酔うと結構めんどくさいのな。」
「ああ…。」

「えー、知念。さっきからわんのことちろちろ見てよぉ、そんなに気になるならあびてみれって。ほら、し、ちゅ、ん。」
「…、ぅ、えいしろうが…、ぅっ、うっ。」
「知念よー、なだぐるぐるーさんけー。やーそれでもイキガかよ。」
「ぷくっ、ふははっ…そうだよ、俺は男だ…なんなら触ってみるか?ちゃんとついてんぞ。」
「おー、どれどれ。わんが確かめてやる。」
「うわっ!ホントに触るやつがあるか!ばか!死なすぞ!」
「おー、やーがあびたんどー。わんは悪くねーらん。」

「…なんか永君おっさんみたいだね、絡み酒か。」
「寛に至っては喜怒哀楽が入り乱れて訳分からなくなってんな。」
「これそのままほっといていいのかなぁ?」
「いいんじゃねえの?面白いし。」
「そうだね、俺達には何も被害ないしなぁ。」

「おい、さっきあびただろうが知念、泣かんけー。」
「うっ、だってよぉ。ふぅっ、うっ。」
「おら、わんがお詫びにちゅーしてやるからよぉ。」
「マジで?ラッキー…ははは。」
「おら、ちら上げろ。キスできねーだろ。」
「あ?お前のがちっせーだろ…お前が顔上げろよ、ちび。」
「はあ、しょーがねーなぁ。おらっ。」
「…んっ…ふ、ふぁ、っ…」
「ふ、んっんん…はっ…はぁ…」

「うわー、どうしようこれ…って、なにやってんの?凛君。」
「写メ撮ってる。明日これ見たらこいつらどんな顔するかな?」
「はははー、さすが凛君、面白い事考えるね。」
「だろー?あとでお前にも送ってやる。」
「マジで?待ち受けにしようかな。ぷくくっ。」
「お!いいねえ、俺こいつらから電話がかかってきたらこの画像が表示されるようにする。」
「あ、俺もそっちにするー。」

ドサッ ゴンッ

「うわ!永君がひろ君押し倒した!これ本格的にやばくないか?俺達出てった方が良くね?」
「…そうだな。あれ?でもよぉ、こいつら動いてなくね?」
「ホントだ、って寝てるのかよぉ…びっくりさせるなっての。」
「はぁ、ほんとほんと。」
「気を使って損した気分。」
「なー…。あ、そうだ、良い事思いついた。仕返しにちょっと脅かしてやんねー?」
「どうやって?」
「えーとなぁ、こいつらの服全部脱がせてふたり一緒のベッドに置いとくの。」
「えー!なにそれ、めっちゃ面白そう。」





「よし、そんでお茶置いて、メモでも書いとくか。」
「ああ、そうだね。」
「おふたりさん…おはよう、……りんたん&ゆうぽん。うしっ!完璧。」
「あ、俺もなんか書く。……見て!これ。かわいいだろ。」
「…何だよこれ?くつした?」
「えー?こっちが海賊の旗でぇ、これがハブだろ、そんでこれはー、ゴーヤと黒なまこ。」
「ぷは!裕次郎、これ傑作。懐かしいなあ、なんか。でもなんで黒なまこゴーヤーに乗せたんだ?変態じゃん。」
「えー?ホントだ。別に深い意味は無い。」
「くはっ。まあいーか、帰ろう。」
「うん。」
「じゃあおふたりさん、おやすみ。」

バタン。

* * *

「ということがあってだな。」


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